高血圧・糖尿病

糖尿病とは？

糖尿病は、慢性的に血糖値が高くなっている状態です。
血糖値を正常に保つ為に必要なインスリンというホルモンの分泌量が不足するまたは、分泌はされているものの適切に作用しなくなることで発症します。
性質的には遺伝病にも生活習慣病にも該当する疾患ですので、誰でも発症する可能性があると言っても過言ではありません。
しかし、糖尿病と聞いても、具体的にどんな症状があらわれて、どんな治療を進めれば良いのか、詳しく説明できる方は意外と少ないものです。

血糖値が高い状態、すなわち高血糖が続くこと自体が問題なのではありません。
注意するべきは糖尿病が引き起こす合併症です。
血液中に含まれる糖の濃度が高まると、その分だけ血液がドロドロになり、血流が悪化します。
そして、そのドロドロの血液が無理やり全身を循環しようとする過程で血管や神経を傷付けてしまうのです。
血糖値が改善されないままこの状態が続くと、やがて三大合併症（糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害）のような命を脅かす障害を引き起こします。
健康診断などを活用した早期発見と適切な治療が重要です。

世界糖尿病連合（IDF）は、2021年に世界でおよそ670万人もの方が糖尿病によって死亡していると発表しています。
糖尿病には目立った初期症状がなく、病状を自覚できるようになった頃にはすでに危険な域まで進行してしまっていることがほとんどです。
更に、現代の医学では糖尿病を完治させることができません。
1度発症すると生涯治療を続けていく必要があります。
予防する為にも、まずは糖尿病について正しい知識を身に付けていきましょう。

参考：世界糖尿病連合「IDF 糖尿病アトラス第10版」

糖尿病の種類

血糖値のコントロールには膵臓のβ細胞で作られるインスリンの働きが必要不可欠であり、インスリン不足の為に高血糖が治まらなくなった状態が糖尿病です。
そして、そのインスリン不足の原因が何なのかによって糖尿病はいくつかのタイプに分けられます。

1型糖尿病

インスリンの分泌機能が極端に低下した状態です。
人間の身体には、体内へ侵入してきたウイルスなどの外敵を攻撃して排除する免疫システムが備わっていますが、この免疫が誤って膵臓のβ細胞を攻撃してしまう場合があります。
自己免疫と呼ばれるこの反応によってインスリンが正常に分泌できなくなると、血糖値の維持が困難になり、インスリン注射などを用いた投薬治療が必須の1型糖尿病の発症を招くのです。

2型糖尿病

糖尿病の中でも最も多いタイプです。
血縁者に糖尿病患者がいるなどの遺伝的要因に、生活習慣の乱れやストレスといった環境的要因が重なった結果、インスリンの作用が弱まり発症へと至ります。
通常、インスリンの分泌機能は加齢と共に自然と低下していく為、中高年層で発症するケースが多いです。
「糖尿病は自己管理のできていない人が罹る病気」と思い込んでいる方もいらっしゃいますが、遺伝や加齢が関わる以上、誰でも発症する可能性がある疾患だということを忘れてはいけません。

妊娠糖尿病

それまで糖尿病に罹患した経験のなかった女性が、妊娠をきっかけに初めて糖代謝異常と診断された場合に該当するタイプです。
妊娠すると、母体から胎児へエネルギーを送る関係で胎盤からインスリンの働きを抑えるホルモンが産生される為、どんな方でも通常時より血糖値は高くなります。
医師の指導の下で正しく血糖コントロールをしながら出産を迎えることができれば母子共に問題ありませんが、場合によっては子供に先天性の異常があらわれたり、母体に血管障害やケトアシドーシスのような症状があらわれたりするので要注意です。

その他の原因によるもの

上記3つのどれにも当てはまらない原因で発症するケースも考えられます。
例えば、別の疾患や何らかの治療に利用している医薬品の影響でインスリンの分泌もしくは作用が悪くなっている場合は、上記のどれにも該当しません。
また、基本的に糖尿病は遺伝的要因と環境的要因が重なって発症する多因子疾患ですが、稀に重要性の高いたった1つの遺伝子情報に異常がある為に、年齢や生活習慣などとは関係ない単一性疾患として発症する場合もあります。
MODY（Maturity Onset Diabetes of the Young：家族性若年糖尿病）と呼ばれるこの疾患の場合は、一般的な糖尿病とは少々異なる検査や治療が必要です。

治療方法について

糖尿病の治療には、食事療法、運動療法、薬物療法などの治療が適用されます。
先述した通り、糖尿病の完治は現状不可能ですので、日々の血糖値のコントロールにより健康な方と変わらない健やかな生活を送れるようにすることが治療の目的です。

食事療法

食生活を見直すことで、血糖値の異常な変動や肥満を予防・改善する治療方法です。
糖質、脂質、カロリー、栄養などのバランスに気を配りつつ、一日3食を規則正しく摂取する生活を目指します。
糖質の摂取量が多すぎると高血糖を、少なすぎると低血糖をそれぞれ引き起こす可能性が高まるので、医師と相談しながらご自身に合った食事の摂り方を探しましょう。

運動療法

脂肪の燃焼と筋肉の増加により、インスリンが作用しやすい身体を作る治療方法です。
インスリンは体内の糖を細胞や筋肉へと運ぶ働きをする為、その働きを活発化させることで血糖値の低下が見込めます。
有酸素運動やレジスタンス運動（筋トレ）が有効ですが、いきなり過度な負担をかけると身体に悪影響が及ぶ恐れがあるので、まずはウォーキングなどの軽めの運動から始めるのがおすすめです。

薬物療法

血糖降下薬などの医薬品を用いて血糖値を低下させる治療方法です。
通常、血糖コントロールを行う際は食事療法と運動療法が推奨されますが、それらを継続しても十分な効果が得られなかった場合には、それらと併せて治療薬の使用を検討します。
1型糖尿病の方はインスリンの分泌が困難な為、最初からインスリン製剤の投薬を指示されるケースもあります。

治療薬の種類

糖尿病の治療薬には様々な種類があり、それぞれ作用機序が異なります。
ご自身の症状や体質に合った治療薬を選ぶことが重要です。
お薬ラボでは以下の商品を取り扱っております。

糖尿病と高血圧

糖尿病と高血圧は、それぞれ血糖値と血圧が基準値を超えている状態が続くことであり、どちらも生活習慣病として扱われている疾患です。
発症する原因や症状は異なりますが、これら2つには密接な関係があります。

高血圧とは？

心臓が動脈へと血液を送り出す際にかかる圧力を血圧と呼びます。
そして、常にドクドクと収縮しながら血液を押し出している心臓が、より高い圧力を必要としている状態が高血圧です。
心臓や血管といった重要な器官が関わっている為、血圧の異常は身体に何らかの不調があらわれているサインと言われています。
しかし、血圧測定を行わない限り、日常生活の中でご自身の血圧の正確な変動を体感することはできません。
また、高血圧が自覚できていても、特に目立った症状がないことから放置してしまう方もいます。

相互関係

糖尿病を発症すると血圧にも異常が生じる傾向にある為、高血圧になる方が多いです。
糖尿病患者のおよそ40～60％の方が高血圧を併発しているとも言われています。
以下は、その原因の一例です。

• 高血糖により体液や血液の量が増加する。
• 肥満体型の場合、交感神経から血圧を上昇させるホルモンが分泌されやすくなる。
• インスリン抵抗性（インスリンが十分に作用できない状態）を補う為に分泌されたインスリンが副交感神経を刺激して血圧を高める。
• 腎機能の低下により体内の水分量と血圧が上昇する。

糖尿病が進行すると動脈硬化を引き起こす原因となりますが、高血圧を併発している場合にはそのリスクが格段に上昇します。
また、糖尿病の合併症として発症した腎機能障害などの疾患の進行が加速することも報告されていますので注意しましょう。
高血圧の治療には、糖尿病と同じく食事療法や運動療法、薬物療法が適用されます。
お薬ラボでは、メインテート・ジェネリックやアタカンドといった高血圧の改善に役立つ治療薬も取り扱っておりますので、お気軽にご相談ください。