ED治療薬とプロペシアの飲み合わせについて

EDAGAは、男性にとって非常に悩ましい問題です。
どちらかを単体で発症する場合もあれば、同時に併発する場合や片方の治療薬の副作用として新たにもう一方の症状を発症する場合もあります。
EDとAGA、そして双方の治療薬にはどのような関連性があるのでしょうか?

EDとAGAの関連性

まず始めに、EDとAGAの症状について簡単に解説していきます。

EDとは?

EDは勃起不全を意味するErectile Dysfunctionの略称です。
身体的または、精神的な問題から男性の性機能が低下し、性行為時に満足なパフォーマンスができない状態を指しています。
勃起するのに必要な量の血液が陰茎へ供給されなくなること、厳密には、血管の収縮に関わる神経伝達物質サイクリックGMPがPDE5という酵素によって分解されてしまうことが、症状が発症する大まかな原因です。
改善には、PDE5の働きを阻害して血管を拡張する作用を持つバイアグラレビトラシアリスステンドラなどのED治療薬が利用されます。

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AGAとは?

AGAはAndrogenetic Alopeciaの略称で、男性型脱毛症を意味する言葉です。
その名の通り男性に発症する脱毛症(抜け毛・薄毛)を指しており、女性の場合はFAGA(Female Androgenetic Alopecia:女性男性型脱毛症)と呼ばれて区別されます。
男性ホルモンであるテストステロンと、還元酵素である5aリダクターゼの結合によって生成されるジヒドロテストステロン(DHT)の働きで、髪の毛の毛周期が短縮されてしまうことが発症の原因です。
改善には、5aリダクターゼを抑制する作用を持つプロペシア、ザガーロ、そして育毛剤のミノキシジル配合医薬品といったAGA治療薬が利用されます。

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EDとAGAに関連性はあるのか?

結論を言ってしまえば、EDとAGAの発症に直接的な関連性はありません。
先述したように、双方の症状はそれぞれ身体の別の箇所で、異なるプロセスによって発症します。
偶然にも併発してしまう可能性はありますが、EDの発症が原因でAGAの発症に繋がったり、その逆のことが起きたりする医学的な根拠は確立されていないのです。
ただし、どちらか一方の発症によるストレスで精神的な負荷がかかった結果、心因的な原因でもう一方を発症するケースは十分に考えられます。
男性から健康と自信を奪ってしまうこれらの疾患は、治療薬を利用するなどして早期に対応していくことが大切です。

次に、EDとAGA治療薬の関係について考えてみましょう。
ここからは、AGA治療薬の中でも人気の高いプロペシアを例に解説していきます。

プロペシアの影響でEDになる?

プロペシア(フィナステリド)の服用にあたり、頻度不明の重篤な副作用としては肝機能障害が、その他の主な副作用としては以下の症状が挙げられます。

1~5%未満 1%未満 頻度不明
過敏症 そう痒症、じん麻疹、発疹、血管浮腫(口唇、舌、咽喉及び顔面腫脹を含む)
生殖器 リビドー減退 勃起機能不全、射精障害、精液量減少 睾丸痛、血精液症、男性不妊症・精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等)
肝臓 AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇
その他 乳房圧痛、乳房肥大、抑うつ症状、めまい
参考:KEGG「医療用医薬品:プロペシア プロペシアの副作用でEDになる確率は1%未満

この表からも読み取れるように、いずれも発症する確率は低いものの、中でも最も記述が多く、懸念されているのは生殖器への影響なのです。
そして、数値としては1%未満ですが、プロペシアの服用で勃起機能不全、すなわちEDが発症したという報告も確かにあります。
これはプロペシアの作用機序に起因しており、有効成分がテストステロンやジヒドロテストステロンといった男性ホルモンの活動に関与する為です。

しかし、プロペシアだけが原因で発症したEDであれば、ほとんどの場合はプロペシアの服用を止めることで自然と回復します。
また、ED治療薬との併用も可能ですので、プロペシアを毎日服用しながら必要な時にED治療薬を飲むことで一時的に双方の症状を改善することもできるでしょう。
根本的に副作用の発症確率は極めて低い為、過剰に身構える必要はありません。
ただ、「AGA治療薬=EDになる」と強く思い込んだせいで、体質的には問題がなくともプラセボ効果により本当に症状が発症してしまったというケースもあるようです。
事前に正しい知識を身に付ける、ご自身に合った治療薬を選ぶ、不安であれば医師に相談するなどして、治療に専念できる環境を整えておくことをおすすめします。

ED治療薬とプロペシアの飲み合わせについて

ED治療薬の多くは、硝酸剤及びNO供与剤やsGC刺激剤、アミオダロン塩酸塩、CYP3A4阻害薬、α遮断剤、降圧剤などを併用禁忌薬または、併用注意薬として指定しています。
いずれも心臓へ甚大な負担をかけ、血圧や心拍を正常値から逸脱させる恐れがある為、絶対に併用してはいけません。
常用している医薬品などがある方は、必ず事前にかかりつけの医師へ相談してください。
これはどのサイトや医療機関でもほぼ確実に警告している注意事項です。

一方、プロペシアには併用禁忌薬や併用注意薬が指定されていません。
基本的にはどんな医薬品とも併用可能であるとされています。
ただし、肝機能に問題のある方、高齢者の方、女性の方(特に妊娠中の方や授乳中の方)については安全性が保障できませんので服用しないでください。

これらの情報からも、ED治療薬とプロペシアの併用に医学的な問題点はないことが分かります。
服用したいED治療薬の併用禁忌薬や併用注意薬を確認し、フィナステリドや5α-還元酵素II型阻害薬の記載がなければ併用は可能です。
しかし、どちらも医薬品である以上、使用者の体質や服用時の状況によって予期せぬ事態が発生する可能性もゼロではないことを念頭においておきましょう。
用法・用量を守り、服用中に異変を感じた場合には速やかに医療機関を受診してください。

プロペシア以外のAGA治療薬は併用できる?

シアリスとAGA治療薬は併用可能だが、飲み合わせに注意

ここまではプロペシアを例に解説してきましたが、プロペシア以外のAGA治療薬とED治療薬の飲み合わせに問題はないのでしょうか?

AGA治療薬と言えば、プロペシアの他にザガーロ、ロゲイン(ミノキシジル)などが有名です。
このうちプロペシアと同じく5α-還元酵素阻害薬に分類されるザガーロ(デュタステリド)は、ED治療薬と併用することができます。
しかし、やはり服用にあたって注意が必要な方もいらっしゃいますので、事前にしっかりと確認しましょう。

ロゲインなどのミノキシジル配合医薬品については、外用薬であればED治療薬との併用は問題ないとされていますが、内服薬を服用する場合はED治療薬との併用はできません。
ミノキシジルは本来、高血圧の方へ向けた医薬品の成分として研究・開発されていました。
つまり、ED治療薬側の併用禁忌薬または、併用注意薬の一つである降圧剤に該当するのです。
内服薬にはED治療薬と同じ血管拡張作用がある為、併用すると相互作用により低血圧を引き起こす危険があります。
自己判断で服用せず、必ず医師へ相談してください。

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