メラトニンについて

メラトニンとは

睡眠に関わるホルモンのひとつで、私たちの眠りを誘う働きを持っています。
脳の中心付近にある松果体と呼ばれる器官から分泌され、血液によって全身に運ばれていきます。
作用として、人体の体内時計を調整する働きがあります。

松果体が昼と夜に反応して分泌を開始します。
昼間はほとんど分泌されませんが、眠りにつく1～2時間前から徐々に分泌が増え始め、目の覚める30分くらい前が分泌の最高値となります。
夜間に分泌量が多くなることで適切な時間に眠れるよう、睡眠のリズムを作り出すのです。
優れた誘眠作用があるので、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。
なかなか眠れない日などに、部屋を暗くしているとだんだんと眠くなってくるのも、松果体が暗くなったことに反応してメラトニンを分泌し始める為です。
同じように、夜間でも明るい光にあたっていると分泌が抑えられてしまい、働きは弱まってしまいます。

しっかりとした睡眠をとれるようにするには、眠る1～2時間前から部屋を暗くして、効率よくメラトニンが分泌されるような環境を作ることが大切です。
十分な分泌量がない場合、不眠症などの睡眠障害を引き起こしてしまう可能性もあるので注意が必要です。

睡眠の仕組み

眠りのメカニズムには脳の疲れからくる睡眠欲求が大きく関係しています。
長い時間体を動かし続けていると身体に疲労が溜まるように、脳も働き続けていると睡眠促進物質が溜まっていきます。
この物質は十分な睡眠をとると消滅しますが、溜まりすぎると、脳が壊れてしまうとまで言われています。
ですから脳は眠ることを求めるのです。
こうした働きは恒常性維持機構といい、身体を一定の快適な環境に保つ為の人間の大事な仕組みです。

もう一つ、体内時計も大事な要素です。
人は朝日を浴びると体内時計からの信号でメラトニンの分泌が止まり、時計がリセットされます。
それから14～15時間が経過すると、再び体内時計からの信号で分泌が始まり、身体が眠りへと向かうのです。
朝起きるのが遅いと、だんだんと夜型になってしまうのはこの為です。
規則正しい生活をして、体内時計を正常に働かせることが重要です。

メラトニン受容作動薬の効果

通常、脳内のメラトニンが分泌されると副交感神経系が優位になり気持ちが落ち着き、深部体温や血圧などが低下して体もリラックス状態になり、自然に眠りにつくことができます。
ですが、上手に分泌されない場合はメラトニン受容作動薬であるメロセットなどで補うこともできます。

お薬も体内で作られたものと同じ働きをします。
また、睡眠以外にも様々な効果が期待できます。
元々疲れをとる為に抗酸化作用があり、細胞の新陳代謝を促してお肌をきれいにしてくれるので、アンチエイジングも期待できます。

最近では臨床試験において、ぼけやがん予防の効果、進行性がんの延命効果もあると報告されています。
米国では抗老化ホルモンとしてブームにもなったほどです。

どのような副作用があるのか

メラトニンが発見されて以来、長い時間をかけて様々な角度から多くの研究、実験がされてきました。
その結果、お薬の中毒性は低く、副作用の心配もとても少ないということが報告されています。
ですが、人によっては体質に合わない場合や、服用量が適切でなかった場合などに頭痛、腹痛、性欲減退などの副作用が報告されているようです。
用法用量は必ず守って服用してください。
また、依存性は少なく、長期間飲み続けたとしてもお薬の効果が得られなくなってしまうこともないので、安心して服用を続けられるお薬といえるでしょう。
ですが、身体に異変を感じた場合や、不安になることがある場合はすぐにお医者さんに相談をするようにしてください。

体験談①

体験談②