日焼け止め

日焼けとは？

日焼けは、紫外線によって肌が何らかのダメージを負った状態です。
太陽光の中でもエネルギーが強い紫外線を浴び続けると、真皮に保護されている細胞や線維が損傷し、様々な肌トラブルを引き起こします。
肌の健康を守る為にも、紫外線を吸収させない為の対策を怠らないようにしましょう。

日焼けをした際、肌が赤くなる場合と黒くなる場合があります。
両者の違いは何なのでしょうか？

サンバーン

肌が赤くなるタイプの日焼けです。
紫外線のうち、UV-C（地表に届かない光）に次いでエネルギーの強いUV-BによってDNAに傷が入り、皮膚が火傷を負った状態になります。
痛みや水ぶくれ、熱感を伴って赤くなり、およそ1週間前後で死滅した皮膚が剥がれ落ちて元の肌へと戻ります。
皮膚がんなどの重篤な症状を引き起こす原因となる為、注意が必要です。

サンタン

肌が黒くなるタイプの日焼けです。
紫外線のうち、最も波長が長いUV-Aによってメラノサイト（色素細胞）が刺激されたことで、色素沈着が起こりやすい状態となっています。
痛みを伴うケースは少ないですが、シミやそばかす、光老化などの原因となるので油断はできません。
入念な紫外線対策を心掛けましょう。

紫外線対策をしないとどうなる？

日焼け止めなどの紫外線対策をしないまま生活していると、外出の度に紫外線に皮膚を攻撃され、徐々にダメージが蓄積されていきます。
その結果、対策をした場合よりも皮膚がんや光老化が発症するリスクが跳ね上がります。

日差しが強まる春や夏のみ紫外線対策をする方も多いようですが、紫外線は1年中降り注いでいます。
また、悪天候で太陽が出ていない日であっても、微弱な紫外線が地表へ届くので対策は必要です。
小さなダメージも積み重なれば大きなダメージとしてあらわれてしまいます。
早いうちから毎日、継続していくことが重要なのです。

皮膚がんとは？

皮膚がんは、血管やリンパ管を巻き込んで内臓へと転移する悪性腫瘍です。
他のがんと異なり、肌や爪などの異変から症状を察知できます。
重症化すると命にかかわりますので、早期の発見・治療が重要です。

光老化とは？

長い時間をかけて皮膚の弾性繊維が破壊される光老化は、加齢による皮膚の老化を悪化させます。
加齢と共にあらわれる肌の老化現象の代表例は、シミやたるみ、乾燥などです。
光老化もこれらを引き起こす原因となりますが、加えて皮膚が分厚くなってごわついたり、肌が黄ばんで見えたりすることもあります。
弾性繊維は肌のハリを保つのに欠かせない組織ですので、年齢を重ねてから後悔しない為にも、若い頃からケアを始めておくと良いでしょう。

有効な日焼け対策

昨今では、様々な日焼け対策用の商品が販売されています。
手軽に入手できるものも多いので、自分の生活スタイルに合うものを探してみましょう。

日傘

直射日光を遮断し、身体へ到達する紫外線の光量を減らします。
手軽で実践しやすい、効果的な日焼け対策の1つです。
近年では、女性だけでなく男性の利用者も増えています。

帽子

地肌の代わりに紫外線を吸収し、頭部や顔の皮膚を守ります。
UVカットが施されたものや、つばの広いタイプが人気です。
黒やネイビーといった濃い色の方が紫外線対策としては効果的ですが、同時に熱も吸収してしまうので気を付けましょう。

サングラス

紫外線から目を保護します。
紫外線は肌だけでなく目からも吸収される為、しっかりとした対策が必要です。
サングラスには、眩しさを軽減させる偏光サングラスと紫外線を軽減させるUVカットサングラスがありますが、紫外線対策を目的とする場合はUVカットレンズを採用した商品を選んでください。

アームカバー

腕を覆って紫外線を遮断するのと同時に、体温調節の役割も果たします。
夏場は露出の多い服の着用が増える為、手軽に日焼けリスクを軽減できるアームカバーはおすすめです。
UVカット機能に加えて、接触冷感の生地を採用している商品であれば、暑い日でも涼しく快適に過ごすことができます。

日焼けコスメ

肌に塗布することで紫外線の吸収を防ぎます。
一般的に「日焼け止め」と呼ばれる商品です。
紫外線対策のみに特化した商品の他、UVカット効果がある化粧下地や乳液なども人気があります。

飲む日焼け止めとは？

飲む日焼け止めは、摂取することで身体の内側から紫外線対策ができるサプリメントです。
肌が吸収してしまった紫外線によるダメージを抑えるものであり、主にUV-B対策としての効果が期待できます。
通常の日焼け止めの場合、塗り忘れ、塗り直し、塗りムラといった手間やリスクがありますが、飲む日焼け止めは経口剤なのでそれらの心配はありません。
1度の摂取で全身を保護してくれます。
ただし、単体では紫外線の吸収そのものを予防することはできない為、他の日焼け止めや紫外線対策グッズとの併用がおすすめです。

飲む日焼け止めの有効成分

飲む日焼け止めに配合されている有効成分として有名なのは、フェーンブロックとニュートロックスサンです。
それぞれシダ植物やローズマリーなどから抽出した植物由来成分で、強力な抗酸化作用及び抗炎症作用を持っています。
紫外線を浴びることで体内に発生する活性酸素（フリーラジカル）の活動を抑えつつ、肌表面にあらわれるトラブルや肌の老化を防ぐ効果が期待できます。
飲む日焼け止めを購入する際は、これらのいずれかが配合されている商品を選ぶと良いでしょう。

日焼けしてしまったら

紫外線対策が及ばず、日焼けをしてしまった際は、なるべく早く適切なケアを実施することが大切です。
放置すると身体がダメージを受け、重篤な肌トラブルや疾患へ繋がる可能性があります。

冷やす

日焼けは火傷や炎症の仲間ですので、まずはしっかりと冷やしてください。
特に、日焼け直後で痛みや熱感があったり、肌が赤みを帯びていたりする場合には、落ち着くまで熱を抑えて症状の悪化を防ぎましょう。
冷たい流水、濡らしたタオル、氷嚢などを患部に当てておくと効果的です。
ただし、ジェルシートのような貼付するタイプの冷却アイテムでは、肌トラブルが悪化する恐れがありますのでご注意ください。

保湿

日焼け後の肌は水分が奪われて乾燥している上に、角質層へのダメージよってバリア機能も低下している為、保湿ケアが必要です。
患部を十分に冷やしてから、事前に塗布していた日焼け止めを優しく洗い流し、清潔な状態の肌を化粧水や乳液、クリームなどで入念にケアしましょう。
日焼け後は肌が敏感になっていますので、アルコール入りのスキンケア用品は避けたほうが安全です。
また、肌表面に炎症がある場合には、通常のスキンケアでも刺激になってしまうケースがある為、ある程度回復してから低刺激性のスキンケア用品で保護してください。

水分やビタミンの補給

身体の外側のケアと併せて、内側から栄養を与えることも重要となります。
水分不足を解消するには、ミネラルウォーターやスポーツドリンクといった飲料を摂取すると良いでしょう。
また、肌の調子を整える効果があるビタミンCやビタミンEを積極的に摂取するのもおすすめです。