エムラクリーム

エムラクリームの詳細

エムラクリームは、aspen社が製造を手掛ける外用の局所麻酔薬です。
局所麻酔の有効成分と言えばリドカインが有名ですが、本商品にはリドカインに加えて同等の分量のプリロカイン（もしくはプロピトカイン）も配合されています。
両者は互いに似た構造や性質を持っており、どちらも痛みを感じた際に生じる電気信号の通り道（ナトリウムチャネル）を遮断して痛覚を和らげる作用があります。
それら2種類の優秀な成分を混ぜ合わせることで浸透性を高め、皮膚の奥にある真皮まで成分が行き渡るよう研究を重ねて開発されたのが本商品なのです。

商品の特徴

エムラクリームは、高濃度の麻酔成分に乳化剤や基剤などがブレンドされたクリーム状の医薬品となっている為、ご自宅でも手軽にご使用いただけます。
レーザー照射や治療用の針の穿刺に備え、あらかじめご自身でもケアしておきたい場合に有効です。
また、本商品はステロイド（副腎皮質ホルモン）を含んでおらず、抗炎症作用も持ち合わせておりません。
過去にステロイド製剤で副作用を起こした経験のある方でも安心です。

成人の場合、使用部位に対してODT（密封療法）で60分間エムラクリームを塗布してください。
必要時間が経過したらクリームを拭き取り、その後すぐにレーザー照射または、注射針・静脈留置針穿刺を行いましょう。
年齢や体重などにより用法・用量が異なりますので、事前に専門の医師へ相談することをおすすめします。
注射針・静脈留置針穿刺時の疼痛緩和に使用する場合には、本剤を拭き取った後、穿刺部位を消毒してください。

エムラクリームの効果

エラクリームの有効成分であるリドカインとプリロカインがナトリウムチャネルに作用し、電気信号の伝播を遮断します。
身体が刺激を受けても痛みが脳へと伝わらなくなる為、局所麻酔としての効果が期待できます。

主な副作用

エムラクリームの主な副作用として、浮動性めまい、頭痛、悪心、発疹、蕁麻疹、色素沈着、ALT（GPT）増加、疼痛、変色、浮腫などが報告されています。
重篤なものでは、ショック、アナフィラキシー、意識障害、振戦、痙攣、メトヘモグロビン血症などが報告されていますが、頻度は分かっていません。
これらの症状が強くあらわれた場合やその他の異変を感じた場合は、すぐに使用を中止してください。
中止後も症状が改善されない場合は医師の診察を受けてください。

傷や炎症などがある部位には、エムラクリームを使用しないでください。
また、性器や周辺の皮膚、粘膜への使用も控えましょう。
目や中耳にクリームが付着しないように注意してください。
日本国内においては、半導体レーザーや炭酸ガスレーザーなどを用いた皮膚レーザー照射療法に対する有効性や安全性は立証されておりません。

エムラクリームの使用に注意が必要な方

これらの他にも、現在治療中の疾患などがある方は事前に必ずかかりつけの医師に相談してください。

エムラクリームと併用できないお薬

エムラクリームの併用禁忌薬は、現在報告されておりません。

併用に注意が必要なお薬

これらの他にも、常用しているお薬やサプリメントなどがある方は、事前にかかりつけの医師に相談してください。

高温・多湿の場所を避け、直射日光の当たらない所にエムラクリームを保管してください。
子供やペットの届かないところに保管ししっかりと管理してください。

参考サイトについて

お薬ラボでは商品の説明書の和訳や以下のサイトなどを参考にして記載しております。

医療用医薬品：リドカイン・プリロカイン

Wikipedia：リドカイン