スピロテロール

スピロテロールは、インドに拠点を構える大手製薬会社Lloyd Laboratories Inc.が製造・販売を手掛ける持続性気管支拡張剤です。日本国内でも正式に承認されているスピロペント錠のジェネリック医薬品であり、同じ有効成分クレンブテロール塩酸塩を配合しています。スピロテロールは交感神経を刺激することで気管支を広げる作用を持つβ2受容体刺激薬の一種です。気管支喘息などの呼吸器疾患による呼吸困難の症状を和らげる働きがあります。また、膀胱の緊張状態を緩和させて括約筋の収縮を促す作用も持ち合わせている為、腹部に力を入れた際に軽い尿漏れをしてしまう腹圧性尿失禁の改善にも効果的です。更に、蛋白質合成を促進させる蛋白同化作用があることから筋肉の増強効果も期待できるとされており、ビルドアップやダイエットを目指して服用する方もいるようです。ただし、健康な方が肉体作りを目的に使用する場合は、本剤が薬用成分を配合した医薬品であり、副作用のリスクがあるということを念頭に置いておきましょう。

参考サイトについて

お薬ラボでは商品の説明書の和訳や以下のサイトなどを参考にして記載しております。
医療医薬品：クレンブテロール塩酸塩
Wikipedia：クレンブテロール

スピロテロールは、年齢や症状により服用方法が異なります。詳細は専門の医師へご確認ください。また、本剤は頓用薬としてもお使いいただけますが、何度も繰り返し使用しなければならない場合は速やかに医療機関を受診してください。

・気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、急性気管支炎のいずれかの気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の改善
成人の場合、1回につき20mcg（0.5錠）を一日2回、朝と就寝前に服用します。頓用する際は1回につき20mcg（0.5錠）を必要に応じて服用してください。5歳以上の小児の場合、1回につき0.3mcg/kgを一日2回、朝と就寝前に服用しましょう。5歳以上の小児が屯用する際は1回につき0.3mcg/kgを必要に応じて服用してください。

・腹圧性尿失禁の改善
成人の場合、1回につき20mcg（0.5錠）を1日2回、朝と夕に服用します。一日の服用上限は60mcg（1.5錠）までです。

スピロテロールの有効成分クレンブテロール塩酸塩が、平滑筋の弛緩や心筋収縮などを行っている交感神経を刺激します。呼吸器疾患による呼吸困難などの諸症状の緩和や腹圧性尿失禁の改善に効果的です。また、蛋白同化作用による筋肉増強効果も期待できます。

主な副作用として、発疹、頭痛、四肢のしびれ、めまい、不整脈、吐き気、腹痛、AST上昇、排尿障害、倦怠感などが報告されています。重篤なものでは低カリウム血症などが報告されていますが、頻度は分かっていません。これらの他にも、身体に異常を感じた場合は直ちに服用を中止し、医療機関を受診してください。

スピロテロールは、吸入ステロイド剤などを用いた治療で症状の改善が得られなかった場合に初めて、それらと併用する形での服用を検討するようにしてください。また、本剤は吸入ステロイド剤などの抗炎症剤の代替薬ではない為、いかなる場合でも医師の指示なく吸入ステロイド剤などの使用を中止してはいけません。服用期間中に発現した気管支喘息や慢性気管支炎、肺気腫の急性増悪に対しては、他の適切な医薬品を用いて治療を行いましょう。その際、使用した医薬品で十分な効果が得られなくなった場合には、速やかに医療機関を受診して医師の指示を仰いでください。用法・用量を守り、適切に服用を続けても効果が得られない場合には、スピロテロールの服用を中止しましょう。小児が服用する際は服用方法の指導と服用後の経過観察を十分に行ってください。過度の服用は不整脈や心停止を引き起こす原因となりますので控えましょう。本剤は筋肉増強剤としての効果が見込まれる為、特定のスポーツ競技においてドーピング対象薬物に指定されている場合があります。1度服用すると、摂取した成分が体内から検出されなくなるまでに一定の時間がかかりますので、公的な競技大会などに参加する予定のある方は注意してください。

以下に該当する方は服用できません。
・配合されている成分に対して過敏症の既往歴がある方
・下部尿路が閉塞している方
・腹圧性以外の原因による尿失禁患者の方
・授乳中の方
・4歳以下のお子様

以下に該当する方の服用には注意が必要です。必ず事前にかかりつけの医師へご相談ください。
・甲状腺機能亢進症の方
・高血圧の方
・心疾患がある方
・糖尿病の方
・高齢者の方
・妊娠中の方または、妊娠している可能性がある方

以下の薬剤とスピロテロールを併用する際は注意が必要です。事前に医師へ相談しましょう。
・カテコールアミン製剤
・キサンチン誘導体
・ステロイド剤
・利尿剤

直射日光、高温多湿な場所を避けて保管してください。また、お子様の手から届かない場所に保管してください。