クロフラニール

サンファーマ社（Sun Pharm）が製造・販売しているクロフラニールは、強い作用のある第一世代の三環系抗うつ剤です。うつ病は脳内のモノアミン（神経伝達物質の総称）が減少することが原因で起こってしまいますが、クロフラニールの主成分であるクロミプラミン塩酸塩には神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンの量を増加させて神経の働きを良くする作用があります。不安感や緊張感を緩和して意欲が向上することから、うつ病・不安障害・パニック障害・強迫性障害などの治療に用いられます。また、ナルコレプシーにより突然起こる情動脱力発作（身体の力が抜ける症状）にも効果が期待できます。更に膀胱の働きを抑制したり尿道の締まりを良くすることで尿が漏れにくくなる為、おもらしやおねしょなどの尿漏れを改善する効果もあります。クロフラニールは日本国内で処方されているアナフラニールのジェネリック医薬品なので、先発薬よりも安い価格で購入することができます。

・精神科領域におけるうつ病、うつ状態の場合
成人には一日50～100mgを1～3回に分けて経口服用してください。尚、年齢や症状により適宜増減しますが、一日最高投与量は225mgまでです。

・遺尿症、夜尿症、尿失禁の場合
6歳未満の幼児には一日10～25mgを、また6歳以上の小児には一日20～50mgを1～2回に分けて経口服用してください。尚、年齢や症状により適宜増減してください。

・ナルコレプシーに伴う情動脱力発作の場合
成人には一日10～75mgを1～3回に分けて経口服用してください。

クロフラニールは神経伝達物質を増加させるによりうつ病やうつ状態、パニック障害など心の病気を改善する効果があります。また、膀胱収縮の抑制や尿道閉鎖圧を高めることで遺尿症（おもらし）や夜尿症（おねしょ）、尿失禁（尿漏れ）の改善にも効果的です。

副作用は起立性低血圧、 血圧降下、便秘、ふらつき、めまい、食欲亢進、眠気などがあります。また、重大な症状としては悪性症候群、セロトニン症候群、てんかん発作、横紋筋融解症、無顆粒球症、汎血球減少、麻痺性イレウス、間質性肺炎、好酸球性肺炎、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群（SIADH）、QT延長、心室頻拍、肝機能障害、黄疸があります。万が一、異変を感じた際は使用を中止して医師の診察を受けるようにしてください。

眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こることがあるので、クロフラニールを服用中は自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意してください。うつ症状を呈する方は希死念慮があり、自殺企図のリスクが増加するとの報告があります。自殺目的での過量服用を防ぐ為、自殺傾向が認められる方は、1回分の服用量を最小限にとどめてください。ナルコレプシーに伴う情動脱力発作を有する方では、服用量の急激な減少ないし服用の中止により、反跳現象（情動脱力発作の急速な増悪）があらわれることがあります。服用を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行ってください。

次の方は使用しないでください。
・閉塞隅角緑内障の方
・本剤の成分または三環系抗うつ剤に対して過敏症の既往歴のある方
・心筋梗塞の回復初期の方
・尿閉（前立腺疾患等）のある方
・MAO阻害剤（セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩）を服用中あるいは服用中止後2週間以内の方
・QT延長症候群のある方

MAO阻害剤のセレギリン塩酸塩（エフピー）やラサギリンメシル酸塩（アジレクト）とクロフラニールの併用は禁止されています。また、併用に注意する薬としては、副交感神経刺激剤や抗コリン作用を有する薬剤、アドレナリン作動薬、アトモキセチン、中枢神経抑制剤（バルビツール酸誘導体など）、全身麻酔剤（ハロタンなど）、抗不安剤（アルプラゾラムなど）、アルコール、サリドマイド、フェノチアジン系、精神神経用剤（レボメプロマジンなど）があります。

直射日光を避けた小児の手の届かない場所へ保管してください。

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