リスコン（リスパダール）

リスコンは1996年に統合失調症の症状を抑える為の非定型抗精神病薬としてサンファーマ社によって開発されました。成分は同年に統合失調症に用いる治療薬として日本でも認可されたリパスダール錠と同じリスペリドンになります。感情のコントロールをする中枢神経に直接作用し、ドーパミンとセロトニンという二つの神経伝達物質を抑制する効果があります。それまでのお薬は、妄想や幻覚などの陽性症状には効果がありましたが、意欲低下や感情を感じなくなるなど陰性症状にはあまり効果がありませんでした。しかし、リスペリドンはこの陽性症状と陰性症状両方に作用して気分を落ち着かせることができます。その為、アスペルガー症候群や自閉症など小児期自閉スペクトラム症で状態が激しい児童や躁病などにおいても使用されるなど多くの方が服用しています。また、デパスの代替品としても人気のある商品になります。

成人は一日2回、1回1mgのリスコンを水またはぬるま湯で服用し、徐々に量を調整してください。維持量は一日2回、1回2～6mgです。年齢や症状により適宜増減できますが一日の最大量12mgを超えないでください。服薬を開始してから、体調の変動や体重が変化する場合もあります。なるべく日常生活のリズムを整え、変調が起こった場合は主治医または担当薬剤師に相談してください。

リスコンには統合失調症や自閉スペクトラム症による不安感や興奮などの激しい落ち込みを鎮める効果があります。有効成分リスペリドンが中枢神経に直接作用することで、神経伝達物質のドーパミンとセロトニンを抑制します。セロトニンは精神を安定させ、ドーパミンは快楽や意欲などを司りますが、これらが適正量分泌されていると一般的な精神状態を保つことができます。しかし、神経伝達物質が過剰だったり逆に少なすぎたりすると、様々な症状が起こってくるのです。統合失調症はまだ罹患する原因がはっきりしていない病気ですが、有力な説として「ドーパミン仮説」があります。これは、脳内のドーパミンが過剰になりすぎることで統合失調症症状が発生すると考えるものです。このお薬もその仮説に基づき開発されたものです。

主な副作用としては、手足のふるえ、バランスをとりづらい、身体を動かしにくいなど錐体外路症状、足がムズムズするアカシジア、めまい、不眠、体重増加などが挙げられます。他にも症状が出ることがありますが、今までにない症状があらわれた場合は、必ず主治医に相談をしてください。

眠気、注意力や集中力の低下が起こる場合があります。服用後は自動車の運転など危険が伴う動作は避けるようにしてください。服用により体重の増減があらわれる可能性がありますので、服用後に体重変動があった場合は生活リズム、食習慣などに気をつけてください。また、白内障手術を控えている方は、リスコンの服用により合併症が発生する場合もありますので、すみやかに担当医に申し出てください。妊娠中、授乳中の方は服用を開始する前に主治医にご相談ください。

アドレナリンボスミン、パリペリドンインヴェガ内用剤との併用は避けてください。効果が正常にあらわれない場合があります。パーキンソン病のお薬と一緒に服用すると、作用が弱まる場合がある為、避けてください。降圧薬と併用するとふらつきやめまいがあらわれる場合があります。また、アルコールとの併用は避けましょう。そのほか、定期的に服用している薬がある場合は服用を開始する前に、一旦主治医か担当薬剤師に相談してみましょう。

高温多湿を避け、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。また、お子様の手の届かない場所に保管してください。