デュオビル

シプラ社が開発したHIVウイルスの治療薬であるデュオビルは、日本でもHIV治療薬として処方されているコンビビルと同一成分が含まれています。主成分のジドブジンとラミブジンは逆転写酵素阻害薬という部類に分類され、ウイルスの増殖を防止する抗ウイルス作用を持っています。HIV（ヒト免疫不全ウイルス）は免疫力を低下させるウイルスであり、性交渉などでHIVが含まれた体液や血液が粘膜部分に接触をすることで感染します。HIVに感染後は数年から数十年と長い時間をかけて身体の中で免疫細胞を破壊して蝕んでいくのです。ウイルス増殖を抑制する医薬品が誕生していますが、エイズを発症してしまうと完治をするのは難しいので生涯に渡って服用を続けなければいけないのが現状です。デュオビルはHIVウイルスを死滅させることはできませんが、HIVウイルスによる症状の悪化や進行を遅らせることができます。感染の不安がある場合は、HIV検査キットなどで早めに感染の有無を確認しましょう。

参考サイトについて

お薬ラボでは商品の説明書の和訳や以下のサイトなどを参考にして記載しております。
医療医薬品：ラミブジン
Wikipedia：ラミブジン

一日2回、1回1錠を服用してください。デュオビルはジドブジン及びラミブジンの固定用量が配合される配合薬なので、ジドブジンまたはラミブジンの用法・用量の調節が必要な方は、各成分を個別で服用するようにしてください。効果を強く出したいが故に、所定用量の2～3倍の量を1度に服用しても効果も強くなることはございません。用法・容量を守って使用されるのが、効果を一番引き出す服用方法となります。

デュオビルはHIVウイルスに対して高い相乗作用があり、HIVウイルスのDNA鎖伸長を停止させて増殖を防止する為、ウイルスが減少すると共に免疫力が回復されます。HIVウイルスを消滅させることは現段階では叶いませんが、症状の悪化・進行を遅らせる効果が期待できます。配合成分の働きは下記の通りです。
・ジドブジン
HIV感染細胞内でリン酸化されることで、活性型三リン酸化体と変化しHIV逆転写酵素を阻害してくれます。DNAポリメラーゼに比べると、約100倍も強く高い抗ウイルス作用を発揮します。
・ラミブジン
B型肝炎ウイルスや1型及び2型のHIVウイルスの逆転写酵素を阻害します。体内への吸収速度が早い特徴を持っているので、体内での循環率は8割以上と高い効果があります。

消化器障害・けん怠感・発熱・肝臓機能障害・発疹・めまいなどが報告されています。その他重篤な副作用としては、血液障害・乳酸アシドーシ・膵炎・横紋筋融解症・ニューロパシー・錯乱・痙攣・てんかん様発作などが報告されています。万が一、上記のような症状があらわれた場合は即刻使用を中止し、医師の診察を受診ください。

デュオビルを服用中に貧血や好中球減少が確認された際は服用を即刻中止し、個別のジドブジンまたはラミブジンを用いて用法・用量の調節を行ってください。また、他のHIVウイルス治療と併用する必要がある為、医師または薬剤師にご相談ください。

以下の方は本剤を使用することができません。
・「ジドブジ」「ラミブジン」が含有されている医薬品の服用で、過去に過敏症（アレルギー等）の既往歴のある方
・好中球数750/mm3未満、またはヘモグロビン値が7.5g/dL未満に減少してしまった方
・イブプロフェンが配合されているお薬を服用中の方
・妊娠、または妊娠している可能性のある方
・授乳中の方
※服用の際は、医師または薬剤師の指示に従ってください。

デュオビルと相性が悪く、一緒に飲み合せすることができない併用禁忌薬に以下の薬が指定されています。併用服用しないようにしてください。
・イブプロフェン
血友病をお持ちの方に出血傾向が強まる可能性があります。

また、併用注意薬として以下の薬が指定されています。
・ペンタミジン・ピリメタミン・フルシトシンなど
ジドブジンの副作用が強まってしまう可能性があります。
・プロベネシド
ジドブジンの循環率が約1／3に減少してしまい、半減期が約1.5倍延長したとの報告が上がってきています。
・フルコナゾール・ホスフルコナゾール
ジドブジンの最高血中濃度が84％上昇するとの報告が上がってきています。
※これらの他にも併用注意薬が存在します。使用前に医師または薬剤師にご相談ください。

高温多湿を避け、風通りの良い涼しい場所で保管してください。また、小児の誤飲を防ぐためにも手の届かない場所に保管してください。