ゾメット(メトホルミン)の飲み方

ゾメット(メトホルミン)は2型糖尿病の治療に用いられる血糖降下薬ですが、近年ではダイエット目的で購入を希望する方も増えています。
糖尿病ではない方が使用する場合、どのような飲み方が推奨されているのでしょうか。

2型糖尿病治療目的の飲み方

2型糖尿病治療目的の飲み方成人の場合、飲み始めは合計500mgを一日2~3回に分け、それぞれ食後に服用してください。
経過を見ながら最大で一日750mgまで増量できます。
治療中の疾患や健康面に不安のある方は、必ず事前にかかりつけの医師へ相談しましょう。

ゾメットは糖尿病治療薬ですので、上記が一般的な飲み方とされています。

ダイエット目的の飲み方

ダイエット目的の飲み方飲み始めは、1回につき250mgを一日2回服用してください。
1ヶ月継続し、体調に問題がなければ、その後は最大で一日500mgまで増量できます。
なお、お薬を飲むタイミングは朝・夕それぞれの食後または、食事を摂る直前が良いと言われているようです。

痩せることを目的として服用する場合、一般的な飲み方よりも摂取量を減らし、十分な経過観察や定期的な検査を実施するようにしましょう。

重篤な副作用

重篤な副作用ゾメットの服用時、稀に起こる重篤な副作用についてまとめました。
それぞれの症状について理解すると共に、いずれかが疑われる不調があらわれた場合には、すぐに医療機関を受診してください。

低血糖

低血糖身体に必要なエネルギーの源である糖が極端に不足した状態です。
目安として、血糖値が70mg/dLを下回ると交感神経の働きが過剰に活発化し、発汗、不整脈、手足のしびれ、頭痛、不安感、口渇などの症状が発現します。
さらに、血糖値が50mg/dL程度まで低下すると、目のかすみ、痙攣、意識障害といった中枢神経にまつわる異常があらわれるのでご注意ください。

乳酸アシドーシス

乳酸アシドーシス乳酸が過剰に蓄積することで起こるアシドーシス(体内の血液や体液が酸性に傾いた状態)です。
下痢や嘔吐、倦怠感といった初期症状に始まり、進行すると過呼吸、低体温、昏睡などの症状を引き起こします。
重症化した場合、死に至るケースもありますので大変危険です。

肝機能障害

肝機能障害肝臓における代謝機能に異常が見られる状態です。
肝機能障害が生じた結果、体内で乳酸が代謝できなくなり、上記の乳酸アシドーシスを引き起こすリスクが上がります。
服用中は、定期的に検査を受診しておくと安心です。
乳酸アシドーシスの他には、疲労、倦怠感、食欲不振、むくみ、黄疸などの症状も見られます。

黄疸(おうだん)

黄疸(おうだん)全身の皮膚や目の白い部分が黄色くなる疾患です。
ビルビリンと呼ばれる黄色の色素が過剰に増えることで引き起こされます。
通常、ビルビリンは肝臓で代謝される為、肝機能が低下していると黄疸の発症リスクも高まります。

横紋筋融解症

横紋筋融解症筋肉を形成している筋骨格細胞が融解または、壊死を起こし、血液中へと流れ込む疾患です。
手足のしびれ、筋肉のこわばり、脱力感、倦怠感、尿が赤褐色になるなどの症状が見られます。
重症化すると急性腎機能障害を引き起こし、さらなる疾患を併発する恐れがあるので注意が必要です。

参考:厚生労働省「(案)重篤副作用疾患別対応マニュアル 横紋筋融解症 」

服用時の注意点

服用時の注意点ゾメットを服用する際、注意したいポイントがいくつかあります。
使用目的が糖尿病治療であっても、体重減少であっても同様です。

軽度の消化器異常が起こりやすい

軽度の消化器異常が起こりやすいゾメット(メトホルミン)の副作用の中でも比較的起こりやすいとされているのが消化器異常です。
5%以上の確率で下痢が起こる他、食欲不振、嘔吐、便秘、腹部の膨満感などが生じるケースも報告されています。

初めてお薬を服用した場合や服用期間中に摂取量を変更した場合、他のお薬と併用した場合にあらわれやすくなるようです。

参考:医療用医薬品「メトホルミン塩酸塩」

脱水時に副作用が重くなる

脱水時に副作用が重くなる脱水は体内の水分が不足した状態であり、血液中の水分やナトリウムが失われることから血液の循環不全へと陥ります。
血液の巡りが悪くなると、栄養や酸素が運搬できなくなる為、やがて命にかかわる重篤な症状に繋がるでしょう。
脱水によって発症リスクが高まる重篤な症状の1つが、先述した乳酸アシドーシスです。
以上を踏まえ、ゾメットは脱水を起こす素因を持つ方の服用が禁じられています。

ゾメットを服用できない方

ゾメットを服用できない方脱水を起こしやすい方の他、下記に該当する方もゾメットを服用できません。
治療中の疾患や常用しているお薬などがある方は、必ず事前に担当医へご相談ください。

  • 配合されている成分に対して過敏症の既往歴がある方
  • 乳酸アシドーシスの既往歴がある方
  • 重度の腎機能障害または、肝機能障害がある方
  • 心血管系または、肺機能に重度の障害がある方
  • 脱水症を起こしやすい方
  • 過度のアルコール摂取者
  • 重症ケトーシスの方
  • 1型糖尿病の方
  • 糖尿病性昏睡または、前昏睡を起こしやすい方
  • 重症感染症の方
  • 手術前後の方または、重篤な外傷がある方
  • 栄養不良状態、飢餓状態、衰弱状態のいずれかに該当する方
  • 脳下垂体機能不全または、副腎機能不全の方
  • 妊娠中の方または、妊娠している可能性がある方
  • 授乳中の方
  • 小児

副作用を起こさない為に

副作用を起こさない為に先述した副作用の発現リスクを少し手も下げる為には、どんなことに気を付ければ良いのでしょうか?

適切な摂取量を見極める

適切な摂取量を見極めるどんなお薬も、過剰摂取は命にかかわる副作用の発現へと繋がります。
注意したいのは、個人の年齢や体重などによって適切な摂取量が変わる場合がある点です。
その為、まずは定められた用法・用量を守ることを基本として、ご自分にとっての適正量を見極めるところから始めましょう。

飲み始めは、ピルカッターなどを利用して必ず少量ずつお試しください。
特に、ダイエットが目的の場合、糖尿病ではない方が糖尿病治療薬を服用する形となりますので、十分な経過観察が必要です。
早く痩せたいからと言って、いきなり大量に摂取しないようにしましょう。

体質に合った商品を選ぶ

体質に合った商品を選ぶお薬の効き目には個人差があります。
他の人は十分な効果を実感できたのに、自分はできなかった、というケースも珍しくありません。
中には、副作用ばかりが強く出てしまって続けられなかった、というお声もあるようです。

少量ずつ試してもこれらの傾向が見られた場合、お薬が身体に合っていない可能性が考えられます。
軽微な違和感であれば、飲み続けるうちに身体が慣れて気にならなくなることもありますが、無理をせず服用を中止する、別のお薬へ切り替える、専門の医師に相談するなどの処置も検討しましょう。

ゾメット飲み方でよくある質問

ゾメット飲み方でよくある質問ゾメットを購入もしくは服用する際に、気になるポイントをまとめました。
事前によく確認し、安全に使用しましょう。

飲むタイミングは食前or食後?

飲むタイミングは食前or食後一般的な用途で使用する場合は、食後に服用してください。
空腹時はすでに血糖値が低下していますので、血糖降下薬を飲むことで低血糖を引き起こす恐れがあります。

痩せることが目的の場合は、明確な摂取タイミングの指示はないようです。
食事の直前もしくは食後のどちらかで固定し、できるだけ毎日同じ時間帯に飲むと良いでしょう。

アルコールと併用できる?

アルコールと併用できる用途に関わらず、服用期間中の飲酒はなるべく控えましょう。
ゾメットの服用後、稀に乳酸アシドーシスを発症するケースが報告されており、過度なアルコール摂取者の方はそのリスクが高まります。
大量に飲酒した日は一時的に休薬するなどの対処が必要です。

飲むと便秘になる?

飲むと便秘になるゾメットの副作用として、消化器異常が挙げられます。
便秘、下痢、悪心、嘔吐、食欲不振などがあらわれる可能性がある為、注意が必要です。
なお、併用注意薬が多数指定されておりますので、気になる症状がある場合でも、安易に他のお薬を飲まず、医療機関の受診を検討してください。

飲み忘れた時は?

飲み忘れた時は飲み忘れに気付いた際は、忘れた1回分を飛ばし、次回分から服用を再開してください。
食事を終えて間もないタイミングでしたらその場で1回分を飲んでも問題ありませんが、次回分の使用が迫っている場合は飛ばしましょう。
1度に2回分を服用してはいけません。

ピルと併用はできる?

ピルと併用はできる禁止されてはおりません。
アフターピルや低用量ピルなど、種類に関わらず併用禁忌薬に指定されているお薬はありませんので、基本的には併用可能です。
ただし、事前に双方の併用禁忌薬や注意点についてよくご確認ください。
また、妊娠中の方、妊娠している可能性がある方、授乳中の方は、ゾメットを服用できません。

ゾメットを飲めば痩せる?

ゾメットを飲めば痩せる本ページに記載されている内容は、お薬の一般的な飲み方や注意点をまとめたものであり、使用後の効果や健康を保障するものではありません。
詳細は専門の医師や薬剤師へご相談ください。
個人輸入及びお薬の使用は原則、全て自己責任の下で行うようお願い申し上げます。

リベルサスとの併用はできる?

リベルサスとの併用はできる?基本的に、他の糖尿病治療薬との併用は推奨されておりません。
リベルサスを含むGLP-1受動態作動薬は、併用注意薬に指定されています。
なるべく、どちらか片方のみにしましょう。
どちらが良いかお悩みの方は、「ゾメットとリベルサスとフォシーガの違いを徹底比較」も参考にしてください。

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