ゾメット(メトホルミン)で瘦せることはできるのか?

一時期、糖尿病治療薬の服用によるダイエット効果が話題になりました。
本当に痩せることはできるのか、お薬の効果を元に考えてみましょう。

※本記事は、糖尿病治療薬による痩身効果を保証または、推奨するものではありません。

ゾメット(メトホルミン)が瘦せると言われる理由

ゾメット(メトホルミン)が瘦せると言われる理由糖尿病治療薬の中で、ビグアナイド薬に該当するゾメット(メトホルミン)も、ダイエット効果が期待できると有名です。
どうして痩せると言われているのでしょうか?

糖の生成を抑制

糖の生成を抑制ゾメット(メトホルミン)には、糖新生の抑制作用があります。
糖新生は肝臓などでグルコース、つまり糖を合成する働きを指します。
この働きを抑制することにより血糖値の上昇を防ぐ、というのが、お薬の本来の効果です。

一方、糖は脂肪の元にもなる為、糖新生を抑制すると太りにくくなるとも考えられるようになったのでしょう。
実際に、糖尿病の方がお薬を服用し続けた結果、血糖値の安定に加えて体重が減少した、という報告もあるそうです。

食べ過ぎ予防

糖の吸収促進脳の満腹中枢を刺激し、食欲を抑えてくれます。
上記は「痩せホルモン」とも呼ばれるGLP-1の働きによるものですが、有効成分メトホルミンにはGLP-1の分泌を促進させる作用があるのです。

更に、消化管での糖の吸収を抑え、排泄を促す作用も確認されています。
消化活動が緩やかになることから、満腹感が持続しやすくなります。

糖の吸収促進

糖の吸収促進エネルギーの源となる糖を体内でスムーズに循環させ、必要各所で取り込ませる作用も、ダイエットには有効です。
血液中に糖が滞留すると、余剰分が全て脂肪として蓄積されてしまいます。
糖の代謝が思うようにいかない糖尿病患者の方が、肥満症を併発しやすい理由の一つです。

ゾメット(メトホルミン)の服用により、摂取した糖が効率良く吸収されるようになるので、不要な滞留を防げます。
また、糖から生成されたエネルギーは筋肉の栄養にもなる為、脂肪燃焼や筋力向上効果も見込めるようです。

ゾメット(メトホルミン)で痩せない理由

ゾメット(メトホルミン)で痩せない理由お薬の効き方には個人差があるものですが、体質以外にも効果を薄れさせる原因が潜んでいる場合があります。

食べ過ぎ

食べ過ぎダイエットを後押しするお薬やサプリメントを飲んでいたとしても、それらの作用を上回るほどの暴飲・暴食を繰り返していたのでは、効果は期待できません。
好きな時に好きなだけ飲食してもお薬を飲めば必ず痩せられる、という認識を持っているのであれば、使用を検討する前に改めてください。
お薬やサプリメントは、あくまで日頃のダイエットをサポートするアイテムです。

運動不足

運動不足毎日、ほとんど運動しない生活を続けていると、身体の内外の様々な機能が衰えていきます。
次第に、食事で摂取した栄養が消費しきれなくなり、脂肪へと変わってしまうのです。
本来ダイエット薬でもないお薬を服用した程度では、補いきれないでしょう。

飲み始めてから間もない

飲み始めてから間もない服用期間が短い場合、満足な効果を実感できないケースがあります。
ゾメット(メトホルミン)は即効性の高いお薬ではありませんので、一定期間飲み続けて様子を見ましょう。
基本的には、数ヶ月単位での服用と経過観察が必要です。
血糖値の低下、痩身効果、副作用などを考慮し、お薬が身体に合っているかどうかをしっかり見極めてください。

瘦せる効果を高めるポイント

瘦せる効果を高めるポイント先述した「痩せない理由」を踏まえ、お薬の効果を高める方法について考えてみましょう。
なお、詳細は専門の医師や薬剤師へ相談することを推奨致します。

食生活の改善

食生活の改善食生活の改善は、ダイエットと健康維持の基本です。
栄養バランスの取れた食事を一日3食、規則正しい時間帯に摂取することを心掛けるだけでも、結果は大きく変わります。
食事療法とも呼ばれる食生活の改善を実行した上でお薬を服用すると、より高い効果が期待できるでしょう。

継続的な適度の運動

継続的な適度の運動通常のダイエットでも、美しく健康的に痩せる為には運動や筋トレが推奨されています。
これはゾメット(メトホルミン)を服用する場合も同様です。
お薬の作用で糖の吸収効率が上がりますので、その状態で適度な運動や筋トレを継続することにより、理想的な体型へ近づくことができるでしょう。

ゾメットの安全性

ゾメットの安全性ゾメットを服用する前に、知っておきたい注意点があります。
個人輸入では、お薬の購入から服用までを全て自己責任の下で行っていただく形となる為、必ずご確認ください。

副作用が起こる

副作用が起こるあらゆるお薬には薬用成分が含まれており、効果・効能だけでなく副作用を引き起こすリスクも抱えています。
ゾメットも例外ではありません。

ゾメット(メトホルミン)の副作用として、最もあらわれやすいとされているのは軽度の消化器異常です。
服用開始後、身体がお薬に慣れるまでの間に、下痢便秘腹部の膨満感食欲不振といった不調が見られるケースがあります。
また、乳酸アシドーシス黄疸横紋筋融解症などの重篤な副作用が生じた例もあるようです。

糖尿病でない方が糖尿病治療薬を飲む際は、副作用のリスクがあることを常に意識しておきましょう。
副作用や注意点について知りたい方は、「ゾメット(メトホルミン)の飲み方」も併せてご確認ください。

日本では未承認

糖尿病と肥満の関係性ゾメットは、日本国内では承認されていないお薬です。
有効成分であるメトホルミンは正式に承認されていますが、ジェネリック医薬品であるゾメットは承認されていません。
また、メトホルミン塩酸塩の承認も、あくまで糖尿病治療薬(ビグアナイド系薬剤)としてのみであり、ダイエット目的での服用については未承認となっています。

日本国内における薬事承認は、厚生労働省から品質や安全性が認められた証です。
痩せる為の飲み方はその承認を得られていない、つまり日本人が使用した場合の安全性が保障されていないということを念頭におき、使用するべきかどうかを慎重に検討しましょう。

糖尿病と肥満の関係性

糖尿病と肥満の関係性一般的に、肥満体型の方は2型糖尿病を発症しやすいとされています。
脂肪が蓄積されることにより、血糖値を下げる役割を持つインスリンの働きが弱まってしまう為です。
他に目立った素因がなく、肥満が糖尿病発症の原因に直結しているケースを肥満糖尿病と呼ぶこともあります。

肥満症(肥満によって身体機能や検査数値に異常をきたしている状態)と糖尿病を併発している場合、最初に勧められるのは食事療法や運動療法を用いた減量です。
脂肪を減らすことでインスリン抵抗性が改善され、血糖コントロールが良好になる例も少なくありません。
また、食事療法や運動療法と並行して、糖の取り込みや分解を促進する作用を持つビグアナイド薬や、食欲抑制作用を持つDPP-4阻害薬などのお薬を服用することにより、さらなる体重減少効果が見込めます。

糖尿病治療薬は太る?

糖尿病と肥満の関係性治療薬の服用後、「血糖値は改善されたが体重は増えた」と話す糖尿病患者の方もいらっしゃるようです。
結論としては、こちらもお薬の正しい効果であると言えます。

健常な方の体内では、食事から摂取した糖が分解され、日々の活動のエネルギーに充てられています。
しかし、糖尿病の方の身体は糖を正常に分解できません。
すると体内でエネルギーが不足し、全身の活動が維持できなくなってしまう為、糖の代わりに脂肪や筋肉に含まれるたんぱく質を分解することで補おうとするのです。
この働きにより、どれだけ食べても体重が異常な速度で減り続けるという現象が起こります。

お薬の服用で血糖値が改善されると、エネルギー源として糖を分解できるようになることから、急激な体重減少が治まり、脂肪や筋肉の蓄積も再開されます。
つまり、糖尿病治療薬による体重増加は、「太った」のではなく「正常な状態に戻った」と捉えるべきです。
その後は、正常な状態の維持を目指して治療を続けていくことになります。

急激な体重の変化は、身体に異常をきたす恐れがあるので注意が必要です。
糖尿病でない方がダイエット目的でゾメットを使用した際、あまりにも異様な体重の増減が見られた場合には、医療機関の受診も検討しましょう。

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