バルシビル

ヘルペスウイルスへの治療薬としてシプラ社が開発したのがバルシビルです。ヘルペスとは、主に「単純ヘルペスウイルス」と呼ばれるウイルスにより引き起こされる病気であり、主な症状としては皮膚や粘膜に水ぶくれやびらん（ただれ）などが生じます。単純ヘルペスは身体の色々な箇所に生じますが、唇の周りや歯肉等に生じることが多いです。単純ヘルペスウイルスに感染してしまうと、ウイルスは神経の中に侵入し体内に潜みます。普段は症状を引き起こす事無く潜伏のみなのですが、紫外線やストレスなどがきっかけとなりウイルスが活性化されてしまい、特徴的な症状が出てきます。ヘルペスを発症した場合に治療に用いられるのがバルシビルなどの抗ウイルス薬です。主成分バラシクロビルは、ヘルペスウイルスのみならず、水痘や帯状疱疹ウイルスのDNA複製を邪魔して、ウイルスの増殖を抑えこむ働きを持っています。その他にも、皮膚の病巣の悪化や皮疹の発症を抑制し、血中ウイルス値を減少させる効果も持っています。バルシビルは、日本で承認されているバルトレックスのジェネリック医薬品なので、薬価も安く購入することができます。

参考サイトについて

お薬ラボでは商品の説明書の和訳や以下のサイトなどを参考にして記載しております。
Wikipedia：バラシクロビル

食事に関係なくご利用いただけますが、バルシビルを服用する際は、普段より多めに水分補給することを心がけてください。症状によって服用量・回数を調節してください。
・単純疱疹（口唇ヘルペス・性器ヘルペス）
1回500mgを一日2回服用します。
・水痘・帯状疱疹
1回1000mgを一日3回服用します。
・ヘルペス再発抑制
1回500mgを一日1回服用します。
万が一飲み忘れてしまった場合は、気がついた時点ですぐに1回分を服用してください。2回分を一度に服用することはできません。次回の服用時間が近くになってしまった場合は、1回分を飛ばして、服用サイクルにズレが出ないようにしてください。

バルシビルの主成分「バラシクロビル」は、DNAポリメラーゼ阻害薬と呼ばれています。DNAポリメラーゼとは、ウイルスのDNA複製に関係する酵素で、バラシクロビルはDNAポリメラーゼの働きを邪魔することで、ウイルスの増殖を抑制する効果があります。バラシクロビルはウイルス増殖を抑制するだけではなく、皮疹の発症を抑えこんだり、皮膚の病巣悪化の抑制効果もあります。その為、口唇ヘルペスや性器ヘルペス以外にも帯状疱疹・水痘の治療にも用いられています。ウイルスが比較的少ない発症初期に服用する事でより高い効果が得られます。初期治療に病状の悪化を防止ことも出来るため治癒速度も早まります。ヘルペスは再発も珍しくなく、癖になりやすく予防が困難とされる病気ですので常備薬として薬箱に置いておくのもおすすめです。

主な副作用として発疹・下痢・腹痛・めまい・頭痛・意識低下などが報告されています。黄疸や意識障害などがあらわれた場合は、即刻服用を中止して医師の診察を受診ください。重大な副作用としては、痙攣・てんかん発作・肝炎等がありますが、発現頻度が明確な調査は実施されていません。

バルシビルが推奨されている服用量は、病気の種類や症状、状況によって異なります。ご自身の病気・症状に合わせて調整してください。服用時に、めまい・ふらつきなどがあらわれる可能性があるため、高所での作業や、自動車の運転など危険を伴う操作・操縦をする際にもご注意ください。
また、元から腎障害をお持ちの方や、高齢者の方は精神神経症状等があらわれる可能性が高いため注意が必要となります。

併用注意薬の指定は何点かございますので、以下の薬との併用の際にはご注意ください。
・プロベネシド
バルシビルが腎臓で排泄されてしまう事が抑制され、作用が強く出過ぎる可能性や副作用があらわれやすくなります。
・シメチジン
バルシビルが排泄されてしまう事が抑制され、作用が強く出過ぎる可能性があります。
・ミコフェノール酸　モフェチル
併用することで、双方の薬剤効果が強く出すぎてしまう可能性があります。
・テオフィリン
テオフィリンの血中濃度が上がり過ぎてしまい、作用が強まる可能性があります。特に、腎機能が低下している高齢者の方は特に注意が必要です。

特に併用禁忌薬の指定はありませんが、含有成分「バラシクロビル」または、「アシクロビル」に対しアレルギーなどの過敏症の既往歴のある方は使用ができません。

直射日光を避け、高温多湿でない風通りの良い涼しい場所で保管してください。また、使用期限は確認してからご利用ください。