薬の副作用によるむくみについて

病気を治すために薬を飲むというのはごく普通のことです。
しかし、薬の副作用のせいで顔や足など身体がむくんでしまい困っている、という経験をされている方が多くいます。
こちらのページでは、副作用のむくみのタイプや改善方法や危険性などを、分かりやすくご説明します。

薬の副作用によるむくみ

むくみ対策をしても改善されない場合は薬の副作用でむくんでいる可能性がある手足や顔がむくんでしまう原因として最も考えられるのが、座り仕事や立ち仕事を長い時間行っていたり、お酒の飲み過ぎや生活習慣が悪くてむくんでしまったりするというのが一般的な見解です。

しかし、様々なむくみ対策を実践しているにも関わらず、一向にむくみが改善されない場合は薬の副作用によるむくみの可能性があります。

では、実際にどんな薬を飲むと副作用でむくみがあらわれるのでしょうか?

それは、高血圧の方が処方される降圧剤などが原因となっている可能性があるのです。

むくみかそうでないかを判断する場合は、足のスネや足首あたりを手で10秒ほど圧迫し、圧痕が残るようだったらむくみだと判断して良いでしょう。
むくみを放置していると心不全や腎不全などの重い病気に関わってくる可能性があるので、しっかりとした知識を身に着けてむくみを改善しましょう。

副作用のむくみのタイプ

薬の副作用によるむくみのタイプは薬剤性浮腫と血管性浮腫があるむくみには様々なタイプがありますが、その中でも今回は薬の副作用としてあらわれる薬剤性浮腫血管性浮腫のご説明をします。

薬剤性浮腫には代表的な薬として降圧剤や非ステロイド性抗炎症薬、カルシウム拮抗薬やACE阻害薬、その他にも抗生剤や抗癌剤などもむくみの原因となっている場合があります。
血管性浮腫に関してはアレルギー反応による急性血管性浮腫や、原因がはっきりと分からない慢性血管性浮腫、その他にも遺伝性や後天性の血管浮腫なども存在します。

自分がどのようなタイプのむくみを抱えているのか、しっかりと理解して正しい改善方法を行うよう心がけましょう。

薬剤性浮腫

薬剤性浮腫の原因となってしまう薬は様々ありますが、非ステロイド性抗炎症薬にはプロスタグランジンの産生を抑制する働きがあり、腎血流の低下や尿細管の水分を再吸収してしまう傾向がある為、体液を溜めやすくなってむくみの症状があらわれる場合があります。

カルシウム拮抗薬には血管の動脈を優先的に拡張させる働きがある為、毛細血管内の静水圧が上昇してしまい、むくみの原因となってしまう場合があります。

ACE阻害薬には、クインケ浮腫というむくみがあらわれる場合があり、重度の症状になると気道閉塞となってしまい命に係わる危険性もあるのです。

その他にも、抗癌剤などによる副作用で腎臓機能が低下し、むくみがあらわれるケースもあり、これらの薬を処方されている方でむくみが気になっている方は、必ずかかりつけの医師にご相談してください。

血管性浮腫

急性血管性浮腫は、9割程度の方が肥満細胞症を患っている可能性があります。
肥満細胞症とは、皮膚や体内の様々な場所に肥満細胞が蓄積する症状であり、肥満の方が発症するわけではありません。

薬物や毒液、食物や花粉、動物のフケ等のアレルギー性によるもので、かゆみを伴う斑点や蕁麻疹を発症するケースが多々あります。
特に、肥満細胞を刺激する薬剤なども存在しており、薬の副作用によって急性血管性浮腫を発症する可能性もあるのです。

また、慢性血管性浮腫に関しては、はっきりとした原因が分かっておらず、思いもよらない薬や化学物質などを慢性的に摂取することで発症する場合もあります。

その他にも遺伝性や後天性の血管性浮腫もあり、C1インヒビターの欠損や、機能不全によって発症することもあるのです。

安全だと思っていた薬が原因でむくみを発症することも十分にあり得ることですので、慢性的なむくみが気になった方は、ご自身に処方されている薬が何なのかをしっかりと理解するよう心がけてください。

生活習慣の改善でむくみも改善

これまで薬の副作用に関するむくみについてご説明して参りましたが、実際に自分の手足を見てむくんでいると感じたら、まずは生活習慣を改善するところから始めてみましょう。

生活習慣を改善することは、むくみを解消するだけではなく、高血圧や心不全などの予防にも繋がります。

降圧剤などを服用してむくんでいるならば、むくみを解消すると同時に高血圧も正すことができるようになるので、まさに一石二鳥です。

睡眠不足や運動不足、偏った食事や肥満などは万病のもとでもあります。
これらを規則正しい生活にするだけで、驚くほどむくみが改善されるケースもありますので、まずは実践してみるのが良いでしょう。

食生活

ラーメンの汁を飲み干したりアルコールを飲みすぎる偏った食事はむくみの原因水分や塩分を摂りすぎる偏った食生活はむくみのもとです。

外食などでファストフードや焼き肉など、脂っこいものや添加物を多く含んだ食事はあまり良くありません。

特に、ラーメンやソバなどの汁を全て飲み干してしまうような行為は、大量の塩分を摂取する形になりますので高血圧のもととなり、身体がむくんでしまう原因にもなるでしょう。
アルコールの飲みすぎなども良くないので、このような食生活はできるだけ控えるようにして、栄養バランスを考えた食事を摂るよう心がけてみてください。

運動

足から心臓に血液を戻すため下半身に筋肉をつける運動がおすすめ身体がむくんでしまう原因の1つとして、運動不足が挙げられます。
筋肉量が衰えてしまうと血行不良となり、余分な水分が下半身に溜まってむくみやすくなります。

地球の重力は常に下を向いている為、足から心臓に血液を戻すことが難しくなり、どうしても足がむくみやすくなってしまうのです。
1日20分程度でも構いませんので、軽い運動をするよう心がけて新陳代謝を高めるようにしてみましょう。
特に下半身に筋肉をつける運動であれば、むくみ改善効果もより高まりますので実践してみてください。

睡眠

むくみの改善には6時間以上の睡眠を取ることが大切むくみを改善する為には規則正しい時間に寝て、しっかりと睡眠を取ることも大切です。
血行不良によってむくんでしまうケースもありますが、これにはホルモンバランスなども深く関係しております。

ホルモンバランスが崩れてしまうと自律神経が乱れてしまい、結果として血行不良に繋がってしまうのです。
最低でも6時間以上は睡眠を取るようにして、毎日決まった時間に起きるよう心がけてみましょう。

姿勢を変える

長時間同じ姿勢を続けると圧迫により血流が悪くなりむくむ同じ姿勢を続けていると、どうしても一定の部位だけが圧迫されて血液が流れにくくなってしまいます。

特に座っている時や立っている時に、ずっと同じ姿勢を続けていると足に負担がかかってしまい、血液を心臓に戻すことが難しくなってきます。

立っている時は足を動かしてみたり、座っている時は足の位置を定期的にずらしたりして、長時間同じ姿勢を続けないよう心がけてみてください。
できれば1時間に1回ぐらいは休憩をはさむようにすると尚良いでしょう。

むくみの危険性

一見、むくみは大したことのない症状に思えるかも知れませんが、慢性的にむくみが続く場合は要注意です。

現在の時点で何らかのお薬を処方されている方は、薬の副作用によるむくみの可能性があります。

薬を服用していない場合でも、慢性的にむくみがある場合は内臓に何らかの疾患を抱えている可能性が高いでしょう。

特に肝臓病や腎臓病などの危険性が高く、動脈硬化によって心不全を引き起こしてしまうケースもあるのです。

薬の副作用でむくんでいる場合にラシックスなどの利尿剤を服用すると危険一般的に、ラシックスなどのむくみを解消する為の治療薬として利尿剤を使用している方もいると思います。
利尿剤は体内に存在する余分な水分や塩分を強制的に排泄してくれますので、食べすぎ飲みすぎの翌日などに使用すれば、むくみを解消する効果を得られるでしょう。

しかし、薬の副作用によって身体がむくんでいる場合は、利尿剤を使用するのは非常に危険です。
非ステロイド性抗炎症薬などは腎血流低下を引き起こして利尿剤抵抗症を生み出す可能性もありますので、絶対にご自身の判断で利尿剤を使用することは控えましょう。
困った時は必ずかかりつけの医師へ相談してください。

まとめ

ここまで、薬の副作用に関するむくみについてご説明して参りましたが、心当たりがある方は注意が必要です。

現時点で何らかの薬を服用している方は、薬の副作用によって身体がむくんでいる可能性もあります。
そういった場合は、利尿剤などは使用できませんので、間違った知識を持ったまま病気を悪化させてしまわないように注意が必要です。

一見、なんてことない身体のむくみですが、これは大きな病気の兆候かも知れません。

慢性的にむくみが取れない方は、決して楽観視せずに、自分の身体としっかり向き合うようにしてください。

規則正しい生活を心がけて、生活習慣を改善すれば、それだけでむくみや病気が治ったりすることもあります。
会社などに勤めていたり、友人とのお付き合いがあると、どうしても不規則な生活になりがちですが、時には自分の身体もいたわりましょう。

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