ラシックスのダイエット効果について
近年ネットなどでよく目につくのがラシックスを服用してのダイエット法です。
身体のむくみを改善する効果のあるラシックスですが、本当にダイエットにも効果があるのでしょうか?
使用方法を間違えると重大な副作用が起きてしまう治療薬なので、ラシックスとダイエットの関係性から正しい使用方法まで分かりやすく解説していきます。
ラシックスにダイエット効果はあるのか?
ダイエットは誰でも一度はしたことがあると思います。
普段の食事を見直して食事制限をしたりランニングやスポーツをして脂肪を燃焼させたり、テレビや雑誌で特集されたダイエット法を試みたりなど、体重を今より落としてスリムな身体になりたいという方は沢山います。
しかし、実際にそれらのダイエットを試みても長続きはせずに、普段通りの生活に戻ってしまうという方も多数いるでしょう。
そんな方からしたらラシックスを服用するだけで体重が落ちて痩せる、というのは夢のような話しですよね。
では本当にラシックスを服用して痩せられるのでしょうか?
ラシックスを服用すると有効成分であるフロセミドが、腎臓内の血液中にある老廃物や余分な水分を、尿として体外に排出させる利尿効果があります。
また、お酒の飲みすぎや長時間のデスクワークによる身体のむくみを改善する効果もあります。
老廃物や余分な水分を尿で排出したことにより、身体は新しい水分を欲するのでそれが循環し新陳代謝を上げます。
ラシックスでダイエットと聞くと、排尿の量が多ければ多いほど痩せると思ってしまうかも知れません。
新陳代謝を上げることで、脂肪が燃焼しやすい身体になるのでダイエットにつながる、ということでした。
しかし、むくみの改善や代謝の向上効果を求めて長期的に服用すると、腎臓の機能に悪影響を及ぼす危険性が出てきてしまいます。
また、利尿作用が常用化したことによって脱水症状を起こしたり、血圧が下がりすぎて重度の脱力感や目まいなど、日常生活に支障をきたす可能性もあります。
ラシックスに限らず全ての治療薬に言えることですが、正しい使い方をしないと健康被害が起こる危険性があります。
※2019年1月1日から、厚生労働省により個人輸入規制となりました。
ラシックスの代替になる利尿剤
ラシックスは2019年から厚生労働省の規定により個人輸入ができなくなりました。
同等の効果が期待できる利尿剤をご紹介します。
ルプラック・ジェネリック
日本国内で承認されているルプラックの海外ジェネリックです。
ラシックスと同じループ利尿薬といわれる医薬品で、体内の余分な水分や老廃物などを尿として体外に排出する効果があります。また、従来薬と比べても低カリウム血症が起こりにくい特徴があります。
トラプレス
こちらも同様にルプラックの海外ジェネリックです。
水分や老廃物を排尿することで、むくみを改善する効果が期待できます。トラプレスは40mgの錠剤があるので、従来薬で効果を得ることができなかった方にオススメします。また、ピルカッターで半錠にして服用することでコストパフォーマンスを向上することができます。
ムクミトール
ルプラックと同一成分のトラセミドを主成分とした利尿剤です。メーカーのAsle pharmaceuticals社は、インドを拠点とした製薬会社ですが、日本人の監修により開発・製造されているので、安全性が高く、価格もお手頃で人気があります。
むくみが改善されやすい飲み方
むくみが改善されやすい飲み方は、空腹時に1錠の服用です。
お薬となると食後というイメージがつきやすいですが、食前というのがポイントです。
食前に服用することで体内の水分が出やすくなるので、むくみにもより効果的になります。
医療目的でなく、むくみの解消であれば1錠で十分なのでお手軽です。
頻繁に飲み続けてしまうと耐性ができる上に副作用が出やすくなるので、週に1回の服用にするなど常用的に服用しないことを必ず心掛けてください。
その日に服用するだけでも十分な効果が得られます。
ある芸能人の方は、撮影前夜にお酒の飲みすぎで身体がむくんでしまってどうしようもない、という時に服用するという一例もあります。
ひどいむくみのある方は隔日服用にするなど、ご自身のむくみ度合いによって調整しながら服用ができるのもラシックスの長所かと思います。
ラシックスはあくまでも常用的に服用するのではなく、ここぞという時の緊急事態になるべく服用するようにしましょう。
初めて服用する方は、お休みの日などトイレに頻繁に行ける環境で飲むようにしてください。
その後、ご自身にどのような効果があるか様子見をしていただき、使用頻度や量などを調整するようにしてください。
ラシックスの間違った飲み方
ラシックスは高血圧や産後に尿が出にくい方などの利尿目的で処方されるお薬です。
ご家族の方がラシックスを服用していて手元にあるからといって、安易に服用をしてしまうと健康被害が出てしまう可能性があります。
ラシックスは強力な利尿剤ですので、飲み合わせが悪い場合や併用禁忌に思い当たる方は、重度の副作用が起きてしまう可能性があります。
持病をお持ちの方や常用しているお薬がある方は、ラシックスを服用される前に担当の医師に相談をして確認をしてください。
飲み合わせが悪いもの
ラシックスは高い効果が発揮される治療薬の半面、飲み方を間違えると危険性が高くなってしまいます。
飲み合わせの悪いものをしっかりと把握してから服用するようにしましょう。
誤ってラシックスと併用をすると、効果が弱まってしまったり効果と副作用が強くなってしまう可能性や、別の副作用が起きてしまう可能性があります。
主な副作用の症状としては、口渇・下痢・食欲不振・悪心・頭痛・嘔吐・貧血・じんましん・発疹・光線過敏症・発赤・水疱性皮膚炎・かゆみ・黄疸・紫斑などが挙げられます。
以下のものとラシックスは併用にご注意ください。
酢酸系とサリチル酸系の鎮痛剤は、ラシックスの利尿作用が弱まってしまう可能性があります。
この2つの鎮痛剤は体内の水分を溜めこむ効果があるので、ラシックスの利尿作用と拮抗してしまうのです。
降圧剤は、ラシックスと降圧剤が二重に血圧を下げてしまうので新たな副作用を発生させる可能性があります。
リチウム製剤は、リチウムの再吸収の効果が増大してしまいリチウム製剤の血中濃度を高めてしまう可能性があります。
血中濃度を高めてしまったことによりラシックスの副作用が強くなる可能性があります。
アミノグリコシド系抗生物質は、聴覚障害の副作用がありラシックスと併用したことで聴覚障害の発症の可能性を高めてしまいます。
お酒に含まれるアルコールは、飲んだ際に起きる症状が吐き気や頭痛や多尿などラシックスの副作用と似ています。
アルコールとラシックスを併用すると、先ほど挙げた症状が強くあらわれてしまう可能性があります。
グレープフルーツに含まれるフラノクマリンは、ラシックスと併用すると相互作用が起きてしまい、ラシックスの効果や副作用が強くあらわれてしまう可能性があります。
牛乳を飲むと、胃に膜が張られてしまい成分の吸収が遅くなりラシックスの効果が半減されてしまいます。
ラシックスを服用してから何かしらの異常を感じた方は服用を止めてください。
服用を止めても症状が改善されない場合はお近くの病院に相談してください。
併用禁忌薬
上記の副作用よりも重度の症状を引き起こしてしまう危険性があります。
重度の副作用として、アナフィラキシー・息切れ・いんとう痛・発熱・皮膚に赤い発疹・再生不良性貧血・眼球結膜の充血・水疱(水腫れ)・聴力の低下などが挙げられます。
軽い副作用だとしても重度の副作用の前触れの可能性もあるので、異常を感じたらすぐにお近くの病院に相談してください。
以下の方にラシックスは絶対に飲ませないでください。
肝性昏睡(かんせいこんすい)の方は、低カリウム血症によるアルカローシスの増加により症状が悪化する可能性があります。
体液中のカリウムやナトリウムが明らかに不足している方や電解質失調を引き起こす可能性がある方は服用しないでください。
無尿の方は、ラシックスを服用しても効果がないので服用しないでください。
スルフォンアミド誘導体に対して過敏症の既往歴がある方は服用しないでください。
ラシックスは腎臓に働きかけて利尿作用を促すので、長期的に服用してしまうと腎臓に負担がかかり、健康面に重大な被害が出てしまう危険性があります。
また、ラシックスの効果を実感しているがために、服用しないと太ってしまうと思い込んでしまい依存性が高くなり頻繁に服用してしまうという方もいます。
ラシックスの効果により老廃物や不要な水分を尿として排出するのは身体にとって良いことです。
しかし、尿を出しすぎてしまうと血液中のカリウムやナトリウム不足など、健康面に重大な被害が出てしまう可能性があります。
必ず適量で服用をするように心掛けてください。