ジャヌビア

MSD社が製造・販売している2型糖尿病の治療薬がジャヌビアです。厚生労働省の認可を受けて、日本国内の病院でも処方されている医薬品であり、比較的安心して服用できます。2型糖尿病は主に遺伝や不規則な食生活による肥満、運動不足などが原因で発症し、血糖値が上昇することで倦怠感、頻尿、手足の感覚の低下などの症状を引き起こします。治療せずに放置すると腎不全、心筋梗塞、脳梗塞等、命に関わる合併症を引き起こす恐れがある為、危険な病気であると言われております。2型糖尿病の基本的な治療法は、食事療法や運動療法が第一であり、これらを続けながら投薬治療が行われます。ジャヌビアの有効成分シタグリプチンは、血糖値が高くなりやすい食後にDPP-4（ジペプチジルペプチダーゼ-4）の働きを阻害し、インスリン分泌を促進することで血糖値を下げる効果が期待できます。この働きは血糖値が高いときのみ作用する為、低血糖が起こりにくいとされています。

一日1回、成分量50mgをたっぷりの水またはぬるま湯でジャヌビアを服用してください。効果が不十分な場合は、経過を十分に観察して100mgまで増量することが可能です。成分量によって服用量が異なる為、注意が必要です。
・25mgの場合
一日1回、2錠を服用してください。一日の最大服用量は1回4錠までとします。

・50mgの場合
一日1回、1錠を服用してください。一日の最大服用量は1回2錠までとします。

・100mgの場合
一日1回、0.5錠を服用してください。一日の最大服用量は1回1錠までとします。

飲み忘れた場合は、次回服用時に改めて1回分を服用してください。副作用を引き起こす原因になりかねますので、一度に2回分以上を服用することはお控えください。本剤はより多く摂取することで高い効果が得られるものではありません。過剰摂取により副作用のリスクが高まる恐れがあるので、必ず用法用量を守って服用してください。

ジャヌビアの有効成分であるシタグリプチンがDPP-4を阻害することでインスリンの分泌量を増やし血糖値を低下させ、腎不全、心筋梗塞、脳梗塞などの重篤な合併症を防ぎます。人の体内ではインクレチンと呼ばれる消化管ホルモンがインスリンの分泌を促し、血糖値を下げる働きを担っておりますが、DPP-4と呼ばれる酵素がインクレチンを分解してインスリンの分泌を妨げます。

主な副作用として、めまい、頭痛、胃の不快感、下痢、腹痛、浮腫、倦怠感等があげられております。稀に、低血糖、肝機能障害、黄疸、アナフィラキシー反応のような重篤な副作用を引き起こす恐れがあります。身体に異常があらわれた際は、ただちに服用を中止して、迅速に医療機関を受診してください。

低血糖症状を起こす恐れがある為、本剤を服用中は高所作業、自動車の運転等はお控えください。また、以下に該当する方はジャヌビアを服用できません。
・本剤の成分でアレルギー反応を起こしたことのある方
・重症ケトーシス、糖尿病性昏睡、前昏睡、1型糖尿病の方
・重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある方

以下に該当する方は、本剤の服用にあたって注意が必要です。必ず事前にかかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。
・ 脳下垂体機能不全や副腎機能不全
・ 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足、または衰弱状態
・ 激しい筋肉運動後
・ 過度のアルコールを摂取している方
・腹部手術の既往や腸閉塞の既往のある方
・中等度腎機能障害や重度腎機能障害のある方
・妊娠中や妊娠している可能性のある方
・授乳中の方
・小児
・高齢

ジャヌビアと併用しての服用を禁じられている薬剤は現在報告されておりませんが、以下の薬剤を服用している方は、本剤と併用して服用するにあたって注意が必要です。本剤を服用する前に、必ずかかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。
・インスリン製剤、スルホニルウレア剤等、糖尿病用薬
・ジゴキシン
・β-遮断薬、サリチル酸剤等、血糖降下作用を増強する薬剤
・ 副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン等、血糖降下作用を減弱する薬剤

直射日光や高温多湿を避けて保管してください。誤飲の恐れがある為、必ず乳幼児やペットの手が届かない場所に保管してください。品質が変化する恐れがある為、本剤を他の容器入れ替えることはお控えください。