女性の社会進出が当たり前となった昨今、働く女性にとって月経や妊娠、更年期といった女性特有の健康問題は重大な懸念材料となっています。
症状自体もさることながら、周囲の理解を得にくく、相談しづらいことも障害の1つです。
同じ経験ができない男性はもちろん、人によって症状の種類や重さが異なる為に、女性同士でも理解し合えないケースがあり、悩みを抱え込んでしまう方も少なくありません。
これらの解決は、今や個人の問題ではなく社会的な課題であると言われています。
当事者の女性が健やかな日々を送れるように、そして周囲の人々が状況を理解し適切にサポートできるように、女性が抱える心身の健康問題をテクノロジーの力で解決するべく作られた商品やサービスの総称がフェムテックなのです。

女性の健康問題

フェムテックにより改善すべき女性の健康問題フェムテックによって改善していくべき女性の健康問題には、どのようなものがあるのでしょうか？
具体例を見ていきましょう。

月経・PMS

イライラや気分の浮き沈みなどの精神的な症状、腹痛や頭痛などの身体的な症状が、月経の3～10日前にあらわれます。
これが月経前症候群（PMS）です。
更に、これらが解消されると次は下腹部痛、腰痛、吐き気、情緒不安定といった月経の症状が始まります。
重症度にも個人差があり、仕事に支障をきたしてしまったり、まともに身動きが取れなくなってしまったりしたことがあるという方も少なくありません。
毎月起こる身近な問題として多くの女性を悩ませています。

不妊・妊活

妊活を進めるには気力と体力、そして根気が要求されます。
食事や体調に気を遣い、パートナーと心を合わせて臨むことが大切です。
不妊治療が必要になった場合は、更に時間や経済面での負担も伸し掛かってきます。
働く女性に関しては、治療に必要な通院頻度が高いことから仕事との両立が難しくなり、仕事と治療のどちらかを断念しなければならなくなるケースもあるほどです。
女性の心身を守る為にも、安心して利用できる社会的なサポートが求められています。

参考：厚生労働省「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック～不妊治療を受ける方と職場で支える上司、同僚の皆さんのために～」

ウェルネス・セクシャルウェルネス

ウェルネス（Wellness）は、広義的な意味での健康を表す言葉です。
主に医療関係の用語として使われるヘルス（Health）が疾患のない身体や精神作りを目指すものであるのに対し、こちらには「社会的に健康な状態」という意味合いも含まれています。
一人一人が健康かつ健全な生活を謳歌できる在り方の実現を目指す分野なのです。

そしてセクシャルウェルネスでは、名前の通り性に関して健康かつ健全な状態を追及します。
ナイトライフの充実も女性のQOLの向上には欠かせませんが、セルフプレジャーや膣ケア、不感症治療薬といった話題が「恥ずかしいこと」と認識され、世間的にもタブー扱いされている傾向があるのが現状です。
性交痛や不感症などの不安や悩みがあっても相談できずに抱え込んでしまう方を減らすべく、意識改革の必要性が叫ばれています。

メンタルヘルス

心の健康を意味するメンタルヘルスは、フェムテックの領域において日本ではまだあまり浸透していませんが、女性の健康サポートには欠かせない要素です。
漠然とした不安やストレスを始め、うつ病、パニック障害、不安障害、女性特有の不調に伴う情緒不安定など、相談しづらい悩みを抱える女性が世界中で増えています。
日常生活に支障をきたしてしまう前に、自分の心と向き合い、専門家への相談サービスや抗うつ剤などを上手く活用して改善への道を探しましょう。

参考：厚生労働省「知ることからはじめようみんなのメンタルヘルス総合サイト」

妊娠・産後

妊娠中及び産後間もない期間は、母体である女性の心身に多大な負担がかかるものです。
悪阻やむくみ、マタニティブルーに悩まされ、人によっては仕事はおろか日常生活でさえ困難になってしまいます。
その為、医療機関との連携や周囲の人々のサポートがとても重要です。
仕事をしている女性が妊娠した際、職場の理解が得られず勤務を続けてトラブルが起きたり、産休ではなく退職を選ばなければならなくなったりするケースも多発しています。

更年期

多くの女性は50歳前後で閉経を迎えます。
月経や月経前症候群のつらい症状からは解放されますが、入れ替わるように発現するのが更年期障害の症状です。
女性ホルモンの減少により引き起こされる発汗やめまい、のぼせ、冷え、痺れ、疲労感、情緒不安定、不眠といった様々な不調が慢性的に続くようになります。
自身をコントロールできないストレスから、職場や家庭の人間関係に影響を及ぼしてしまうこともあるようです。
更年期は女性ホルモンのバランスを整えることで改善が期待できます。

フェムテックの取り組み

フェムテックの取り組みはサービスと医薬品があるそれでは、上記の問題を解決する為の取り組みにはどのようなものがあるのか、詳しく解説していきます。

サービス

仕事やお出かけのスケジュールを立てるのに役立つ生理日予測アプリや、子育てによる負担の軽減を目的とした相談サービスのような、女性の為のコンテンツが身近な存在になってきました。
これらデジタル分野でのサポートこそ、技術の力で女性を支援するフェムテックの本領です。
他にも、妊娠経過を医師やパートナーと共有できるアプリ、セクシャルウェルネスについての踏み込んだ解説を見ることができるサイトといった、オンライン上だからこそ可能となる取り組みが世界中で広がり、人々の生活に浸透し始めています。
身体の健康やメンタルヘルスを後押しするべく、全ての女性が気兼ねなく活用できるサービスの開発が進んでいるのです。

医薬品

女性の健康問題を解決する手段の一つとして、医薬品やサプリメントも数多く製造・販売されています。
日本ではあまり主流ではありませんが、海外では既にたくさんの女性が愛用している歴としたフェムテックの取り組みの1つです。
しかし、それらは海外製品であることが多く、日本では販売されていないケースも少なくありません。
海外医薬品を試してみたいけれどなかなか手に入らない…そんな時は、個人輸入代行業者の利用がおすすめです。
購入者本人が使用する場合に限り、日本国内にいながら海外で製造された商品を通販で取り寄せることができます。

参考：厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」

下記は、お薬ラボで通販が可能な医薬品の一例です。

マーベロン

女性ホルモンを補充できる低用量ピルです。月経の諸症状やPMSを改善したり、望まない妊娠を予防したりする効果があります。

フェルトミッド

排卵を誘発するクロミッドのジェネリック医薬品です。排卵障害による不妊症の治療薬として利用されています。

ラブグラ

セクシャルウェルネスを後押しする女性用バイアグラです。身体が敏感になり、オーガズムに達しやすくなります。

リジェル

膣ケアに役立つ女性用ジェルです。乾燥によるデリケートゾーンの不快感や性交痛を改善することができます。

プレマリン

エストロゲンを配合した女性向けのホルモン剤です。女性ホルモンを補うことで更年期障害の各種症状を和らげます。

フェムテックの利用

フェムテックの発展は、多くの方が抱えていながら表立って相談することのできなかった女性特有の健康問題の解決に大きな希望を与えました。
今後更に市場が広がり、日本を含めた世界中で必要とされる一大コンテンツとなっていくことが予想されます。
ご自身の悩みを「人には分からないから」と溜め込まず、見識のある専門家や同じ境遇の方々と共有してみると、解決の糸口が見つけられるかもしれません。
生活の質を向上させる為に、フェムテックの利用を検討してみてはいかがでしょうか。